化粧品売り場には、50代向けを前面に出したブランドが続々登場=東京都江東区のイトーヨーカドー木場店
大手化粧品会社が、50代向けの化粧品ブランドを相次いで強化している。これからのこの世代は、若いころに「ワンランク上」の生活スタイルを身につけ、女性雑誌の名を冠した「Hanako世代」。肌の衰えに負けない「第2の青春」を謳歌(おうか)してもらおうと、うるおい成分の強化に加え、「隠す」から「見せる」要素を取り入れているのが特徴だ。(吉村英輝)
「外出予定がなくても、気持ちを切り替えるため、毎朝メークする」という都内在住の主婦(52)。2カ月でなくなるファンデーションに最近、新たに花王のリキッドタイプを加えた。
花王は今年2月、8年目を迎えた50代向けブランド「グレイスソフィーナ」を大幅に刷新した。商品の包装も落ち着いた白と緑の紙箱から、透明感のある鮮やかな青色に変えた。イメージキャラクターには女優の黒木瞳さんを起用、「大人の可愛い」を宣伝のコピーにした。
肌のハリ感覚をあげるため、化粧品にこだわりをもつ女性向けであるリキッドファンデーション(3990円)を投入。透明感と明るさを引き出すフィニッシングパウダー(3150円)とともに、品ぞろえが充実した。50代女性が「『隠す』だけでなく、『美しく』を求めるようになった」(花王)というわけだ。
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50代はホルモンのバランスが崩れ、肌の衰えを実感し始める時期。加えて、これから50代になる女性は、若いころに「日焼けは美」と信じた世代。紫外線ケアの意識が低く、今になってシミやくすみでその影響を実感している世代でもある。
カネボウ化粧品は、平成12年にデビューした50代向けブランド「エビータ」に、今年3月から「美白ライン」(1890〜2940円)を投入した。50代以上の女性が、「保湿」や「老化防止」に次いで「美白」に関心を向けてきたにもかかわらず、「50代向けと銘打った美白ブランドがこれまでなかった」(同社)ためだ。
資生堂も2月、同社では初めて同世代に明確な焦点を絞った加齢のケア商品を「アクアレーベル」ブランドから出した。紫色を基調にした乳液(2310円)の商品包装には、大きく「50歳から」「薬用美白」「ハリつや実感、シミ予防」と表記。「老眼が進んでいる方への配慮」(資生堂)を前面に出した。
配合されているうるおい導入成分には、コラーゲンから野ばらエキスまで6種類が盛りこまれている。ドラッグストアなどでも販売されるため、「手にとってもらえる工夫をした」(同社)。中の容器の表示は小さくておしゃれにしてある。化粧台に「50歳」の文字が並ぶという目障りさもない。
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花王の調査では、化粧水などスキンケア用品を4品組み合わせて使う50代は、14年から18年の間で、10%から28%へと増加したという。それらに費やすお金を年3万円以上と回答した50代も、21%から41%に倍増し、伸び率は全体平均(21%から28%)を大きく上回った。国内化粧品市場全体が頭打ちになるなか、年数%で伸びる50代向け化粧品市場に開発の重点が移るのもうなずける。
各社はまた、ドラッグストアなどの店員向け講習会も強化。同じ乳液でも、「超しっとり」と「しっとり」の2種類で他との差別化を図ったりしている。年代を重ねて自分に合う化粧品を探す楽しみが増えそうだ。
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